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    • 2023.06.14
    • アルコールチェック運用
    • アルコールチェック 覚えておきたい運用のポイント
      準備すべきことと実務上の運用ポイントをまとめて解説
    • [ez-toc] 1 アルコールチェック義務化とは何か アルコールチェック義務化とは、2022年4月施行の道路交通法の改正により「安全運転管理者のアルコールチェック業務が、白ナンバー事業者においても義務になったこと」です。白ナンバー事業者とは、事業用自動車以外の一般的な車両(白ナンバー車両)を事業利用する事業者のことで、法人企業であれば自社の荷物や人員を無償で運搬する車両の利用などが挙げられます。 2022年4月1日より施行された改正道路交通法施行規則では、安全運転管理者に対して、運転者の酒気帯びの有無(アルコールチェック)を目視で確認することが義務付けられました。 さらに、2023年12月1日からは、目視での酒気帯び確認に加え、アルコール検知器による確認も義務づけられる予定です。 2 アルコールチェック義務化の対象事業者 これまで、運送業などの事業用自動車を対象として義務化されていたアルコールチェックが、下記の条件に当てはまる事業所にも適用されるようになりました。 乗車定員が11人以上の自動車1台以上 または、 その他の自動車5台以上を業務で利用する事業所 注意していただきたいのは、「法人ごと」ではなく「事業所ごと」に業務で使用する車両数をカウントします。 また、原動機付自転車を除く自動二輪車は1台を0.5台として計算します。   当てはまる事業所は、安全運転管理者を選任しなければなりません。 3 2022年4月の義務化に伴う変更点 2022年4月1日から、以下の2点が義務付けられることになりました。 □ 運転前後に運転者の酒気帯びの有無を目視等で確認すること。 □ 確認の内容を記録し、その記録を1年間保管すること。 警視庁交通安全情報 4 今後の義務化に伴う変更点 上記に加え、2023年12月1日から、以下の2点が義務付けられる予定です。 □ 運転前後の運転者の酒気帯びの有無をアルコール検知器で確認すること。 □ アルコール検知器を常時有効に保持すること。 5 アルコール検知器によるチェックは何が求められるのか? 運転前後の運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状況を目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いて確認を行います。 ① 対面での確認(原則) + アルコール検知器 ② カメラ、モニター等 + 携帯型アルコール検知器 ③ 携帯電話 + 携帯型アルコール検知器 アルコール検知器を利用していても、目視等での確認は必須だということに留意してください。 6 アルコールチェックの準備その1 安全運転管理者の選任 コラム「アルコールチェック義務化とは何か」を参照ください。 7 アルコールチェックの準備その2 アルコール検知器を準備する アルコール検知器は検知方式や記録方式などの違いで、様々な種類があります。自社の運転者の人数や運転の形態に合わせて選択しましょう。 ○形態による違い 大きく分けて「据え置きタイプ」と「ハンディタイプ」があります。 ○検知方式による違い 8 アルコールチェックの準備その3 運用ルールを定める アルコール検知器による検査は運転者1名につき、2回の確認が必要とされています(当日運転する人に限る)。 運転前:運転を含む業務の開始前または出勤時 運転後:運転を含む業務の終了後や退勤時 ただし、事業所発着が基本の事業所もあれば、営業マンが直行直帰することが常態化している事業もありますので、運用ルールは事業所ごとに違ってきます。 ポイントになるのは、 ①全員がルールを理解し、実行する準備ができていること(例外を設けることは極力避けましょう) ②責任者(安全運転管理者)が誰であるのか、事業所内の全員が認知していること ③不正や確認忘れを防止するための対策をとること ④確認方法と記録管理の両面において、安全運転管理者にとっても運転者にとっても、極力負担がかからないやり方を採用すること 特に安全運転管理が有名無実化しないためにも、③と④は重要なポイントになります。業務を省力化しつつなりすましやデータの改ざんを防ぐためには、AI技術の活用やクラウド管理は欠かせないものになっています。 9 Q&Aでわかる アルコールチェック運用のポイント アルコール検査の対象者について Q 当日運転の予定のない人も検査が必要ですか? A 改正道路交通法施行規則は、「運転前後の運転者に対する酒気帯びの有無の確認」と記載されておりますので、当日運転される方のみ、酒気帯び確認が必要となります。 Q 事務職員も施設間を移動する際に運転する社用車についてアルコールチェックの対象となりますか? A 業務形態や運用目的を問わず、社員の方が業務で運転をされる場合は全て対象となります。 アルコール検査のタイミング Q 同じ人が何度も外出と帰社を繰り返す場合、その都度チェックが必要ですか? A 酒気帯び確認のタイミングは「運転を含む業務の開始前または出勤時」および「運転を含む業務の終了後や退勤時」です。 同じ人が何度、外出と帰社を繰り返しても、現行の法令においては開始前と終了後の2回の確認で問題ありません。 マイカーを業務で使用するケース Q 社員の車両を借り上げして業務利用している場合、アルコールチェックの義務化の対象になりますか? A 社員の車両を業務に使用している場合、安全運転管理者の管理すべき車両の対象に含まれますので、アルコールチェックの義務化の対象となります。 Q マイカー通勤の社員にもチェックが必要ですか? A マイカー通勤の方は業務で運転されない場合、アルコールチェックの義務化の対象にはなりません。 直行直帰のケース Q 社用車にて直行直帰の場合、通勤になるのでしょうか? A 直行直帰の場合は、その運転が通勤ではなく業務上の移動であると考えられます。 そのため、運転前後のアルコールチェックが必要になります。 Q 直行直帰の際に、安全運転管理者の補助的業務を行う者を運転者本人にしてセルフチェックさせても問題ないでしょうか? A セルフチェックに関しては、安全運転管理者本人の運転も含め全て認められませんので、電話点呼等、他の方による目視等の確認を行ってください。 注意点:早朝自宅出発の場合、前日のチェックは不要(かつ無効)であり、早朝であっても運転前のアルコールチェックが必要であると考えられます。 目視での確認 Q アルコール検知器を利用していても、目視等での確認は必須ですか? A 目視等での確認は必須です。2023年12月1日以降は、運転前後の運転者の状態を目視等で確認し、さらに酒気帯びの有無の確認をアルコール検知器を用いて行うことが必要です。 リアルタイムでの確認 Q 深夜・早朝において記録型のアルコール検知器を用いて測定し、営業時間で確認するということは認められますか? A 認められません。記録型の検知器を使用していた場合であっても、目視もしくは電話等のリアルタイムでの確認は法律上必須となります。 アルコール数値に関して Q 「酒気帯びの有無」の基準がよくわかりません。アルコール検知器で0.15mg/L以下であれば大丈夫なのでしょうか? A  0.15mg/lなどの数値はあくまでも罰則を定めるための規定と考えられます。 今回の警察庁のアルコールチェック義務化の法令においては、現時点では数値基準は定義されておりません。しかし、先行する運輸業界の例にならえば、どのような数値であれ、ゼロになるまでは運転を停止することが望ましいでしょう。 記録の保管について Q アルコールチェックの記録はいつまで保管が必要ですか? A チェックの内容を記録し、およびその記録を1年間保存することが求められています。 記録すべき内容は以下のとおりです。 確認者名 運転者 運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等 確認の日時 確認の方法  (1)アルコール検知器の使用の有無 (2)対面でない場合は具体的方法 酒気帯びの有無 指示事項 その他必要な事項 注意点:事業所ごとに記録して保管します。 記録についての様式などは問われていません。 アルコール検知器について Q アルコール検知器にはどのような性能が求められていますか? A 酒気帯びの有無を音、色、数値等により確認できるものであれば、性能上の要件は問いません。また、アルコール検知器は、アルコールを検知して、原動機が始動できないようにする機能を有するものを含みます。 Q 「アルコール検知器を、常時有効に保持すること」とはどういうことですか? A 正常に作動し、故障がない状態で保持することが求められます。 以下が確認ポイントとなります。 □機器に損傷がないか □電池切れしていないか □正常な呼気で反応が出ないか □アルコール成分を含んだ呼気に反応があるか □使用回数制限を超えていないか 罰則について Q アルコールチェックを実施しなかったときの罰則はありますか? A アルコールチェックを実施しなかったときの、直接的な罰則はありません。 ただしアルコールチェックを怠り、酒気帯びの運転になっているときは道路交通法違反になり、運転者のみだけでなく使用者(安全運転管理者、その他自動車を直接管理する者など含む)に3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。 安全運転管理者は、運転者が正常の判断で安全に運転できるように確認しなければ確認しなければなりません。アルコールチェックだけではなく、駐車違反、無免許運転、最高速度違反、過労運転などを容認または下命していると判断されたときは、運転者と同様の処分を受けます。 10 まとめ 本記事ではアルコールチェック義務化に伴い、対象事業者が準備すべきことと、運用上のポイントについて解説しました。 弊社では顔認証AIでなりすましを防ぎ、かつ管理者の負担を限りなくゼロに近づけるアルコール検知AIクラウドシステム【AIZE Breath】を提供しております。事業所発着用の据え置き対応と直行直帰に対応したハンディタイプを取り揃え、すでに多くの事業者様にご利用いただいております。 下記からアルコールチェック義務化に関するお役立ち資料もダウンロードしていただけますので、ぜひご覧ください。   資料ダウンロード AIZE Breathの詳しい情報は https://aizebreath.jp/
    • 2023.06.14
    • 道路交通法アルコールチェック
    • 道路交通法改正とは何か?
      アルコールチェック義務化についてまとめて解説
    • [ez-toc] 1 道路交通法とは何か 道路交通法は、「道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資する」ことを目的として、1960年(昭和35年)に公布されました。以来、時代の変遷や交通事情の変化に合わせ毎年のように改正が行われています。 最近では、2017年に高齢運転者対策の強化、2019年に走行中の携帯電話等の使用(「ながら運転」)の罰則強化、2020年に妨害運転罪の創設によるあおり運転の厳罰化、2023年には電動キックボード等の新しいモビリティへの対応のための規定の新設などが行われており、時代の要請に合わせて随時改正が行われてきたことが読み取れます。 2 改正道路交通法で白ナンバー事業者にもアルコールチェック義務化 2022年には、社会的なインパクトがある大きな改正がありました。2022年4月1日より施行された改正道路交通法施行規則では、安全運転管理者に対して、運転者の酒気帯びの有無(アルコールチェック)を目視で確認することが義務付けられました。さらに2023年12月1日からは、目視に加えてアルコール検知器による酒気帯び確認も義務付けられる予定です。 従来からアルコールチェックが義務付けられていたのは、事業用の自動車(緑ナンバー)の運転者に限られていました(2011年より義務化)。今回の改正により、自家用の自動車(白ナンバー)の運転者についても、新たにアルコールチェックが義務付けられたことになります。 自家用の自動車とはどんな車か? 道路交通法では、「有料で物や人を運送する車(=緑ナンバー、タクシーやトラックなど)」を事業用の自動車(緑ナンバー)とし、それ以外の自動車を「自家用の自動車(白ナンバー)」としています。具体的には、会社が業務用に所有する「営業車・社用車」などが「自家用の自動車」に該当します。 3 アルコールチェック義務化の背景 2022年中の飲酒運転による交通事故件数は2,167件で、そのうち、死亡事故件数は120件でした。飲酒運転の死亡事故率は、飲酒なし事故の約7.1倍(警察庁調べ)と極めて高く、飲酒運転による交通事故は死亡事故につながる危険性が高いことが分かります。 2021年6月、千葉県八街市においてトラック運転手の飲酒運転により、児童2名が亡くなり、3名が重傷を負うという痛ましい交通事故が発生しました。 事故を起こした車両はアルコール検査が義務付けられた貨物自動車運送事業法に基づく事業用自動車(緑ナンバー)を取得していない自家用車両(白ナンバー)であったことから、この事故を受け2022年の4月に道路交通法施行規則が改正され、白ナンバーの社用車を5台以上、または11人以上の定員の自動車を1台以上持つ事業所は、運転指導などを行う安全運転管理者の選任とアルコール検査が義務付けられることになりました。 4 目視等でのアルコールチェックとは? 2022年4月の義務化に伴う変更点 2022年4月1日から、以下の2点が義務付けられることになりました(道路交通法施行規則9条の10第6号)。 □ 運転前後に運転者の酒気帯びの有無を目視等で確認すること。 □ 確認の内容を記録し、その記録を1年間保管すること。 5 検知器によるアルコールチェックとは? 2023年12月の義務化に伴う変更点 上記に加え、2023年12月1日から、以下の2点が義務付けられる予定です。 □ 運転前後の運転者の酒気帯びの有無をアルコール検知器で確認すること(道路交通法施行規則9条の10第6号)。 □ アルコール検知器を常時有効に保持すること(同条7号)。 6 アルコールチェック義務化の対象事業者 これまで、運送業などの事業用自動車を対象として義務化されていたアルコールチェックが、下記の条件に当てはまる場合にも適用されるようになります(道路交通法74条の3第1項、道路交通法施行規則9条の8第1項)。 乗車定員が11人以上の自動車1台以上 または、 その他の自動車5台以上を業務で利用する事業所 注意していただきたいのは、「法人ごと」ではなく「事業所ごと」に業務で使用する車両数をカウントします。 また、原動機付自転車を除く自動二輪車は1台を0.5台として計算します。 当てはまる事業所は、安全運転管理者を選任しなければなりません。 7 安全運転管理者・副安全運転管理者を選任する 改正道路交通法では、一定台数以上の自動車を使用する事業所(乗車定員が11人以上の自動車1台以上または、その他の自動車5台以上を業務で利用する事業所)においては、「安全運転管理者」「副安全運転管理者」を選任して、安全運転管理業務を実施し、交通事故防止を図るとしています。 7-1 安全運転管理者は何人必要か? 安全運転管理者は事業所ごとに1人選任し、副安全運転管理者は業務で利用する自動車の台数によって、選任する人数が異なります。 7-2 安全運転管理者の選任要件 安全運転管理者並びに副安全運転管理者には、以下の経験が求められます。 選任基準を満たさなかった場合、5万円以下の罰金を課せられます。 7-3 安全運転管理者を選任したら届け出なければなりません 安全運転管理者等を選任したときは、その日から15日以内に事業所を管轄する警察署に必要書類を提出しなければなりません。 7-4 安全運転管理者の業務 安全運転管理者の業務は、自動車の安全運転確保を目的としており、具体的な業務内容は以下のとおりです(道路交通法74条の3第2項、道路交通法施行規則9条の10)。 □交通安全教育 □運転者の適性等の把握 □運行計画の作成 □交代運転者の配置 □異常気象時等の措置 □点呼、日常点検、安全運転に関する指示 □運転日誌の備え付け、運転者に対する記録の指示 □安全運転指導 8 アルコールチェック 4つのポイント ポイント① 【安全運転前後の確認】 運転前後の運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状況を目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いて確認を行います。 運転者1名につき、2回の確認が必要です。 運転前:運転を含む業務の開始前または出勤時 運転後:運転を含む業務の終了後や退勤時 ポイント② 【目視等での確認】 運転前後の運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状況を目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いて確認を行います。 「運転者の顔色」「呼気のにおい」「応答の声の調子」を確認しますが、状況に応じてやり方はいくつかあります。 ① 対面での確認(原則) + アルコール検知器 ② カメラ、モニター等 + 携帯型アルコール検知器 ③ 携帯電話 + 携帯型アルコール検知器 アルコール検知器を利用していても、目視等での確認は必須だということに留意してください。 ポイント③ 【アルコール検知器による検査】 酒気帯びの有無を音、色、数値等により確認できるものであれば、アルコール検知器の性能上の要件は問いません。また、アルコール検知器は、アルコールを検知すると原動機が始動できないようにする機能を有するものを含みます。 ポイント④ 【アルコール検知器は、常時有効に保持する】 「常時有効に」とは、正常に作動し、故障がない状態で保持することを指します。 確認ポイントは以下の通りです。 □ 危機に損傷がないか □ 電池切れでないか □ 正常な呼気で反応が出ないか □ アルコール成分を含んだ呼気に反応があるか □ 使用回数制限を超えていないか 9 アルコールチェックの記録の作成・保管体制を整備する 安全運転管理者は、以下のように確認の内容を記録し、およびその記録を1年間保存することが求められます。記録の様式は問われていませんが、事業所ごとに記録・保存する必要があります。 1.確認者名 2.運転者名 3.運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等 4.確認の日時 5.確認の方法 (1)アルコール検知器の使用の有無 (2)対面でない場合は具体的方法 6.酒気帯びの有無 7.指示事項 8.その他必要な事項 10 まとめ 本記事では、アルコールチェック義務化に関する道路交通法改正の内容について詳しく見てきました。 弊社では顔認証AIでなりすましを防ぎ、かつ管理者の負担を限りなくゼロに近づけるアルコール検知AIクラウドシステム【AIZE Breath】を提供しております。事業所発着用の据え置き対応と直行直帰に対応したハンディタイプを取り揃え、すでに多くの事業者様にご利用いただいております。 下記からアルコールチェック義務化に関するお役立ち資料もダウンロードしていただけますので、ぜひご覧ください。 資料ダウンロード AIZE Breathの詳しい情報は https://aizebreath.jp/
    • 2023.06.14
    • アルコールチェック義務化
    • アルコールチェック義務化とは何か?
      改正法施行を前に、概要とポイントをまとめて解説
    • [ez-toc] 1 アルコールチェック義務化の背景 2022年中の飲酒運転による交通事故件数は2,167件で、そのうち、死亡事故件数は120件でした。飲酒運転の死亡事故率は、飲酒なし事故の約7.1倍(警察庁調べ)と極めて高く、飲酒運転による交通事故は死亡事故につながる危険性が高いことが分かります。 2021年6月、千葉県八街市においてトラック運転手の飲酒運転により、児童2名が亡くなり、3名が重傷を負うという痛ましい交通事故が発生しました。 事故を起こした車両はアルコール検査が義務付けられた貨物自動車運送事業法に基づく事業用自動車(緑ナンバー)を取得していない自家用車両(白ナンバー)であったことから、この事故を受け2022年の4月に道路交通法施行規則が改正され、白ナンバーの社用車を5台以上、または11人以上の定員の自動車を1台以上持つ事業所は、運転指導などを行う安全運転管理者の選任とアルコール検査が義務付けられることになりました。 2 アルコールチェック義務化とは何か アルコールチェック義務化とは、2022年4月施行の道路交通法の改正により「安全運転管理者のアルコールチェック業務が、白ナンバー事業者においても義務になったこと」です。白ナンバー事業者とは、事業用自動車以外の一般的な車両(白ナンバー車両)を事業利用する事業者のことで、法人企業であれば自社の荷物や人員を無償で運搬する車両の利用などが挙げられます。 2022年4月1日より施行された改正道路交通法施行規則では、安全運転管理者に対して、運転者の酒気帯びの有無(アルコールチェック)を目視で確認することが義務付けられました。 さらに、2023年12月1日からは、目視での酒気帯び確認に加え、アルコール検知器による確認も義務づけられます(予定)。 2-1 アルコールチェック義務化の対象事業者 これまで、運送業などの事業用自動車を対象として義務化されていたアルコールチェックが、下記の条件に当てはまる場合にも適用されるようになります。 乗車定員が11人以上の自動車1台以上 または、 その他の自動車5台以上を業務で利用する事業所 注意していただきたいのは、「法人ごと」ではなく「事業所ごと」に業務で使用する車両数をカウントすることです。また、原動機付自転車を除く自動二輪車は1台を0.5台として計算します。 当てはまる事業所は、安全運転管理者を選任しなければなりません。 2-2 2022年4月の義務化に伴う変更点 2022年4月1日から、以下の2点が義務付けられることになりました。 □ 運転前後に運転者の酒気帯びの有無を目視等で確認すること。 □ 確認の内容を記録し、その記録を1年間保管すること。 警視庁交通安全情報 2-3 今後の義務化に伴う変更点 上記に加え、2023年12月1日から、以下の2点が義務付けられる予定です。 □ 運転前後の運転者の酒気帯びの有無をアルコール検知器で確認すること。 □ アルコール検知器を常時有効に保持すること。 3 アルコールチェック義務化は何が求められるのか? 運転前後の運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状況を目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いて確認を行います。 ① 対面での確認(原則) + アルコール検知器 ② カメラ、モニター等 + 携帯型アルコール検知器 ③ 携帯電話 + 携帯型アルコール検知器 アルコール検知器を利用していても、目視等での確認は必須だということに留意してください。 4 安全運転管理者とは何か? 改正道路交通法では、一定台数以上の自動車を使用する事業所(乗車定員が11人以上の自動車1台以上または、その他の自動車5台以上を業務で利用する事業所)においては、「安全運転管理者」「副安全運転管理者」を選任して、安全運転管理業務を実施し、交通事故防止を図るとしています。 4-1 安全運転管理者は何人必要か? 安全運転管理者は事業所ごとに1人選任し、副安全運転管理者は業務で利用する自動車の台数によって、選任する人数が異なります。 4-2 安全運転管理者には選任要件があります 安全運転管理者並びに副安全運転管理者には、以下の経験が求められます。 選任基準を満たさなかった場合、5万円以下の罰金を課せられます。 4-3 安全運転管理者を選任したら届け出なければなりません 安全運転管理者等を選任したときは、その日から15日以内に事業所を管轄する警察署に必要書類を提出しなければなりません。 4-4 安全運転管理者の業務を5つのポイントで解説します ポイント① 【安全運転前後の確認】 運転前後の運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状況を目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いて確認を行います。 運転者1名につき、2回の確認が必要です。 運転前:運転を含む業務の開始前または出勤時 運転後:運転を含む業務の終了後や退勤時 ポイント② 【目視等での確認とは?】 運転前後の運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状況を目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いて確認を行います。 「運転者の顔色」「呼気のにおい」「応答の声の調子」を確認しますが、状況に応じてやり方はいくつかあります。 ① 対面での確認(原則) + アルコール検知器 ② カメラ、モニター等 + 携帯型アルコール検知器 ③ 携帯電話 + 携帯型アルコール検知器 アルコール検知器を利用していても、目視等での確認は必須だということに留意してください。 ポイント③ 【記録方法】 安全運転管理者は、以下のように確認の内容を記録し、およびその記録を1年間保存することが求められます。記録の様式は問われていませんが、事業所ごとに記録・保存する必要があります。 1.確認者名 2.運転者名 3.運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等 4.確認の日時 5.確認の方法 (1)アルコール検知器の使用の有無 (2)対面でない場合は具体的方法 6.酒気帯びの有無 7.指示事項 8.その他必要な事項 ポイント④ 【アルコール検知器による検査】 酒気帯びの有無を音、色、数値等により確認できるものであれば、アルコール検知器の性能上の要件は問いません。また、アルコール検知器は、アルコールを検知すると原動機が始動できないようにする機能を有するものを含みます。 ポイント⑤ 【アルコール検知器は、常時有効に保持しなければなりません】 「常時有効に」とは、正常に作動し、故障がない状態で保持することを指します。 確認ポイントは以下の通りです。 □ 危機に損傷がないか □ 電池切れでないか □ 正常な呼気で反応が出ないか □ アルコール成分を含んだ呼気に反応があるか □ 使用回数制限を超えていないか 4-5 アルコールチェック義務を怠った場合の罰則 アルコールチェックを実施しなかったときの、直接的な罰則はありません。ただしアルコールチェックを怠り、酒気帯びの運転になっているときは道路交通法違反になり、運転者のみだけでなく使用者(安全運転管理者、その他自動車を直接管理する者など含む)に3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。 安全運転管理者は、運転者が正常の判断で安全に運転できるように確認しなければなりません。アルコールチェックだけではなく、駐車違反、無免許運転、最高速度違反、過労運転などを容認または下命していると判断されたときは、運転者と同様の処分を受けます。 交通事故を起こした企業には、「刑事上の責任」「行政上の責任」「民事上の責任」「社会的責任」が問われ、大きな代償を支払います。しかも、コンプライアンスを「守ったうえで起きた事故」と「守らなかったときに起きた事故」では、その後の会社の信用度や評判において受ける打撃に大きな違いがあることは言うまでもないでしょう。 5 アルコール検知器の使用義務化で準備すること アルコール検知器の使用義務化に向けて、大きく分けて二つことを準備する必要があります。「アルコール検知器」と「運用ルール」の準備です。 5-1 アルコール検知器を準備する アルコール検知器は検知方式や記録方式などの違いで、様々な種類があります。自社の運転者の人数や運転の形態に合わせて選択しましょう。 ○形態による違い 大きく分けて「据え置きタイプ」と「ハンディタイプ」があります。 ○検知方式による違い 5-2 運用ルールを定める アルコール検知器による検査は運転者1名につき、2回の確認が必要とされています(当日運転する人に限る)。 運転前:運転を含む業務の開始前または出勤時 運転後:運転を含む業務の終了後や退勤時 ただし、事業所発着が基本の事業所もあれば、営業マンが直行直帰することが常態化している事業もありますので、運用ルールは事業所ごとに違ってきます。 ポイントになるのは、 ①全員がルールを理解し、実行する準備ができていること(例外を設けることは極力避けましょう) ②責任者(安全運転管理者)が誰であるのか、事業所内の全員が認知していること ③不正や確認忘れを防止するための対策をとること ④確認方法と記録管理の両面において、安全運転管理者にとっても運転者にとっても、極力負担がかからないやり方を採用すること 特に安全運転管理が有名無実化しないためにも、③と④は重要なポイントになります。業務を省力化しつつなりすましやデータの改ざんを防ぐためには、AI技術の活用やクラウド管理は欠かせないものになっています。 6 まとめ 本記事ではアルコールチェック義務化の概要や安全運転管理者の業務についてまとめました。 弊社では顔認証AIでなりすましを防ぎ、かつ管理者の負担を限りなくゼロに近づけるアルコール検知AIクラウドシステム【AIZE Breath】を提供しております。事業所発着用の据え置き対応と直行直帰に対応したハンディタイプを取り揃え、すでに多くの事業者様にご利用いただいております。 下記からアルコールチェック義務化に関するお役立ち資料もダウンロードしていただけますので、ぜひご覧ください。 資料ダウンロード AIZE Breathの詳しい情報は https://aizebreath.jp/