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囲碁AIがAI技術の進化を牽引する! トリプルアイズ・チームが2年ぶり参戦
第13回UEC杯コンピュータ囲碁大会

  • 2022.03.10
  • お知らせ

株式会社トリプルアイズ(東京都千代田区、代表取締役:山田 雄一郎)は2022年3月5日(土)・6日(日)の両日に開催された「第13回UEC杯コンピュータ囲碁大会」(主催:電気通信大学エンターテイメントと認知科学研究ステーション)に運営兼出場チームとして参加いたしました。

 

トリプルアイズAIZE事業本部執行役員・永井寛泰による開会の挨拶

 

 

 

 

世界の強豪が一同に集結

 

第13回目を迎える本大会には中国、フランス、日本から強豪17チームが揃い、その技術を競いました。ディフェンディングチャンピオンである「VisionGo」をはじめ、「WuWeIGo」や「YILEGO」など新たな顔ぶれも揃い注目が集まりました。新型コロナウイルスの感染症の影響を受け完全オンライン開催となった本大会決勝戦の解説会はYouTubeでも生中継され、大橋拓文七段(日本棋院)、上野愛咲美四段(日本棋院)が出席されました。

 

 

優勝は初出場の「YILEGO」

 

第13回UEC杯コンピュータ囲碁大会、Aリーグ優勝を手にしたのは中国チームの「YILEGO」です。初出場にしてその技術力の高さを見せつけました。「YILEGO」は2021年7月、中国で行われた「福建銀行杯」で初お披露目された新しいプログラムです。

「YILEGO」の強みについて、運営委員である当社エンジニア片渕博哉は次のように評価しました。

「二日間を通して、AIが苦手な詰碁的な部分のミスがほとんど見られなかった。持ち時間の短い再対局においてのみ明確なミスこそあったが、明らかに他のAIと比べて局所戦が強かったように思う。ミスをしないというのは、すなわち盤面評価と探索のポリシーが相対的に優れているということである。プロが絶対間違えないような、もし間違えると即敗北に繋がる“ルールではないテクニック”の学習をどのように行ったかとても気になった」

 

 

【大会結果】

Aリーグ

優勝 YILEGO(中国)

準優勝 WuWeIGo(中国)

 

Bリーグ

優勝 BSK(日本)

準優勝 Aya(日本)

 

新人賞 YILEGO(中国)

独創賞 きふわらべ(日本)

 

 

1日目・4回戦の試合中継

 

 

 

進化を遂げ、ますます盛り上がりをみせる囲碁AI

 

前回の優勝プログラム「VisionGo」を上回るプログラムが複数登場し、全体的に技術レベルの底上げを感じられたことが本大会の特徴と言えます。また今年は新型コロナウイルス感染対策をふまえ、完全オンライン開催となりました。参加者同士の交流は例年ほど盛んではなかったものの、参加へのハードルが下がったことで初参加のAIも複数登場するなど、見どころが増えたことも印象的でした。

 

 

技術者同士が刺激を与えあう場となる

 

運営委員の片渕博哉は本大会を総括して、「自分のAIが1位になることを目指すというよりは、皆でAIの良いところ・悪いところを考えたり、自分のAIを披露することを主目的としているようだった」と語りました。大会を通じて他のプログラムの技術力に刺激を受けたり、それぞれが今後の研究課題を見つけられたりと、単に順位を競うことを目的とせず、囲碁AIの技術力を底上げする要素が強い大会だということが伺えます。

技術者たちの熱い思いが、今後もAI進化のスピードに拍車をかけていくことでしょう。

 

 

UEC杯コンピュータ囲碁大会とは

 

2007年より電気通信大学「エンターテイメントと認知科学研究ステーション」主催により開催されてきましたが、2017年3月の第10回大会をもって一区切りとし、囲碁将棋チャンネル主催という形で、「AI竜星戦」が2017年、2018年に開催されました。

その間のコンピュータ囲碁の動向を見ると、中国などでは毎年コンピュータ囲碁の大会が開催され、今なお人工知能研究のベンチマークとして機能し続けていることがわかります。

コンピュータ囲碁はAI技術の限界や応用分野を考える上で、重要な研究テーマであると言えます。そこで、2019年より囲碁将棋チャンネルからバトンを受け継ぎ直し、電気通信大学エンターテイメントが再び主催となり、UEC杯コンピュータ囲碁大会を開催することとなりました。トリプルアイズも運営に協力しています。

 

 

大会ウェブサイト http://entcog.c.ooco.jp/entcog/new_uec/

 

 

大会運営に協力したトリプルアイズ社員

 

 

 

囲碁AIはゲームにとどまらず、技術力底上げの基盤となる

 

2016年にGoogleが開発したAlphaGo(アルファ碁)が、プロ囲碁棋士を破って以降も囲碁AIは世界で進化を続けています。囲碁AIで得られた技術は、画像解析を中心にさまざまな分野に応用されています。今後も囲碁AIの研究や大会を通して、AI技術の底上げがなされていくことが期待されています。

トリプルアイズでは、2014年から囲碁AI開発を進めてきました。囲碁の19×19という盤上に展開される膨大な選択肢を前に、AI研究が問われるのは技術力であり、同時に技術の優劣は囲碁の勝敗にそのまま反映されます。

トリプルアイズの画像認識プラットフォーム・AIZEも、囲碁AI研究でのディープラーニング技術によって生み出された成果です。

AIZE:https://aize.jp/

 

 

 

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トリプルアイズHP:https://www.3-ize.jp/