株式会社アスピット様
2022年10月、トリプルアイズは、株式会社アスピットが提供する外食企業向け業務支援システム「ASPIT」とのサービス連携を開始しました。
株式会社アスピットは、2001年の創業以来、「システムを通じて外食産業に貢献する」という企業理念のもと、外食産業向け業務支援システム「ASPIT」を提供してきており、北海道から沖縄まで日本全国でサービスを展開し、導入店舗数は7,000店舗を超えます。
今回の連携により、「ASPIT」の勤怠管理打刻メニューにトリプルアイズの顔認証AI「AIZE」が採用されることになりました。これにより、外食企業の店舗において、顔認証による勤怠入力が可能になりました。
株式会社アスピット代表取締役社長・小林尊士様に、顔認証AIに期待することや外食産業におけるDXについてお聞きしました。
アスピットは創業21年、小林社長が4代目になります。外食産業の業務支援というビジネスを立ち上げた背景には大きく2点の理由がありました。
1点目が、外食産業でのシステム導入が遅れていたことです。電話とFAXによる受発注が当たり前の世界を変えていこうということで、外食企業と一体となってシステム化に取り組んできました。外食産業の生産性を高めていかなければ、業界そのものが継続していくことが難しい事態に陥るのではないかという危機感があり、システム化を推進するための会社としてアスピットが立ち上げられました。
2点目には非価格競争を実現したいという思いがありました。外食産業で人手を減らすのは限界がありますから、どうしても仕入れるフードコストを下げようという考えに傾きがちです。
「フードコストを適正な水準に維持しなければ、外食産業を取り巻くエコシステムが疲弊してしまいます。そこで、バックオフィス業務を簡素化し、業務改革を行うことで、労働時間を短くし、見えないコストやこれまでに固定費として捉えられていたコストを省き、総体としてコスト削減につなげるためにも、システム化が必要だったのです」(小林社長)。
受発注システムをはじめとして、営業利益をその日のうちに日次で確認できるというのが「ASPIT」のポイントになっています。チェーン展開をして大きくなっていくにつれ、数字の管理をしっかりするのは当然のことですが、お店が閉まってから、アナログで計算して報告するという労働時間の長時間化につながっていた仕組みを、人の手を介さないで自動で集計して見たい時にいつでもデータを取り出せる形のシステムを提案しています。
「現場でやらなければいけない業務を人の手を借りずに自動でできる環境を用意するのが我々のサービスです。チェーン展開をする企業が主なお客さまですが、データ管理をしたいというニーズは個店でもあるので、個人事業主のお店もお客さまになっていただいています」(小林社長)。
直近の目標としては、1万店舗導入を早く達成したいとか。
「コロナの終息を待つのではなく、今の状況でお客さまをしっかり獲得していく必要があります。今回トリプルアイズさんと連携させていただいた顔認証打刻はその一つの足がかりになると考えています」(小林社長)。
アスピットでは、勤怠打刻での生体認証活用では、2012年ごろから静脈認証を取り入れていました。外食企業は導入コストをかけることに関して非常に慎重になる面があるので、イニシャルコストを抑えられるパートナーを選ぶことで、利用者は広がりました。ただし、静脈認証では後述するようなデメリットもあり、生体認証のバリエーションを増やしたいという思いから、トリプルアイズに相談がありました。
生体認証としては、先駆けて普及した静脈認証ですが、以下の課題が指摘されてきました。
・なりすましを防ぐことができない。後から検証することもできない
・認証デバイスが壊れた時に打刻ができないので、スペアを用意しなければならない
・飲食店では指を怪我するシーンも多いので使いにくい
・低血圧の方は朝はなかなか認証できない
「顔認証については、認証のための付属機器が不要であることが非常に大きなメリットと考えており、デバイスが壊れる心配がないのも現場では歓迎されています。また、写真を用いても後で発覚する機能をご用意いただけましたので、後から打刻時の状況を画像で確認できるため、なりすましが不可能となり、不正防止の観点からも優れています。」(小林社長)
AIZEとASPITの連携は、次のような流れになります。
タイムレコーダー上で操作を行う人間が誰かを特定するために顔認証機能が用いられているわけです。
「AIZEとASPITの連携が始まってから、顔認証を打刻機能としてお使いの店舗が増えてきています。飲食店の従業員は清潔感を出すために前髪を上げることが多く、顔認証との相性も良いため、顔認証打刻がこれからの飲食店のスタンダードになっていくことを確信しています」(小林社長)
最後に小林社長に、外食産業のDXの展望やトリプルアイズに期待することをお聞きしました。
「外食産業は今もなお労働集約産業の側面が強いですが、働き方改革によって、これからどんどん変わっていくと思います。そこでIoTツールが果たす役割は非常に大きいでしょう。まだ他産業に比較するとDXが進んでいるとは言えないので、改善の余地は大いにあります。外食産業の場合、イニシャルコストというハードルがDXの前進を阻んでいるのは否めません。投資に対するリターンが明確に見えないと、AIやIoTの導入に対して躊躇する経営者は多いと思います。テーブルオーダー用の電子パッドの普及を見ても、最初の頃は反応も遅くて使い勝手が悪く、お客様からの評判も芳しくありませんでしたが、改良されるにつれ、むしろ快適だと感じる方も増えていったように、ツールの改良と普及スピードは密接に関連しているなと感じます」
「トリプルアイズさんには、AIの世界で先端技術を深掘りしていただいて、そこで得られる知見やサービスを私どものような事業者に提供していただけると非常にうれしいです。トリプルアイズさんにしかできない最新の技術を業界に広めていきたいと思っています」
アスピット会社概要
【会社名】 株式会社アスピット (英名:ASPIT CO., LTD)
【所在地】 兵庫県神戸市東灘区向洋町西5丁目9番
【設立】 2001年4月
【資本金】 1億円
【代表者】 代表取締役社長 小林尊士
【事業内容】 ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)事業
【コーポレートサイト】https://aspit.jp/